加藤紀子さんの著書『子育てベスト100』を読みました。
『子育てベスト100』とは
3歳~小学6年生を中心にずっと使える本です。
どこから読んでもOK、全部できなくてOK、すぐに効果が見えなくてもOKの「3つのOK」で気軽に読めるベストの具体策が100個紹介されています。
下記の6つのセクションに分かれていて、とても読みやすいです。
- コミュニケーション力をつけるには?
- 思考力をつけるには?
- 自己肯定感をつけるには?
- 想像力をつけるには?
- 学力をつけるには?
- 体力をつけるには?
筆者のメッセージ
先人たちが積み重ねてきた膨大な研究の成果は、子育てに悩んでいるとき、不安で心配なときに、心強い指針となります。
『子育てベスト100』から学んだこと
子どもの話を聞く
コミュニケーション力をつけるには、子どもの話を聞くことが大切です。
子どもの話を聞くには、下記の4つが重要です。
- 共感する
- 否定しない
- 話の内容を確認する
- 聞いてあげられる「余裕」をもつ
1.共感する
子どもの立場になって共感しながら聞いてあげます。
2.否定しない
大人の意見を押しつけず、質問もできるだけ手短にし、話題を変えないようにします。
子どもが間違ている場合でも、まずは否定せず、共感してあげてから意見やアドバイスを伝えると、子どもは素直に受け入れやすくなります。
3.話の内容を確認する
子どもの話で分からないところをそのまま聞き流してしまうと、子どもは「話を真剣に聴いてくれない」と感じてしまいます。わかならいときは質問し、詳しい内容を確認します。
4.聞いてあげられる「余裕」をもつ
子どもの話をしっかりと聞いてあげるには、大人の側も心身ともに余裕が必要です。なるべくリラックスできる時間をもつようにするとよい。
「やり抜く力」を養う
困難や挫折を味わってもあきらめずに努力を続けられる力が重要です。
「やり抜く力」を伸ばすポイントは次の6つです。
- 好きなことを見つける
- 「少し高めの目標」を設定する
- すぐにやめない
- 親が手本となる
- ほめ方に気をつける
- グリットの強い人で囲む
1.好きなことを見つける
必死に努力する以前に、まずは楽しむことが大事。
まずは子どもがどんなことに情熱を感じているか、興味の対象が何かをじっくり観察します。
2.「少し高めの目標」を設定する
情熱を傾けられることが見つかったら、少し高めの目標を設定し、それをクリアするために練習します。できれば同じ時間に同じ場所で練習することを「日課」にします。
勤勉さは練習によって身につけることができ、難しいことに取り組むことで、ほかの難しいことにも取り組めるようになる。
3.すぐにやめない
始めたことは区切りのいい時期まで一生懸命取り組むようにします。
4.親が手本になる
親も自分にハードな目標を設定し、「それに対しどれくらい情熱と粘り強さをもって取り組んでいるか」、「子どもが自分を手本にしたくなるような育て方をしていると思うか」を考えるべき。
5.ほめ方に気をつける
生まれながらの才能や結果、成績を評価するよりも、努力の過程を褒めたり、「もう少し時間をかければできるようになるよ」とあきらめないよう励ます方が努力できる能力を伸ばすことにつながります。
6.グリットの強い人で囲む
グリットの強い人たちに囲まれていると、自分も自然に連帯感や共同体のような意識を抱くようになります。
ペンシルベニア大学の心理学者ダックワース教授の家庭では、家族全員がそれぞれハードなことに挑戦し、粘り強く続けることを実践しているといいます。
家族旅行をする
東洋大学国際観光学部の森下晶美教授によると、子どものころに家族旅行の経験が多い人は、成人後も、コミュニケーション力や社会性、思いやりなどの点で自己肯定感が高いという傾向が明らかになっています。
いい「家族旅行」をするポイントは下記の5つです。
- テーマを決める
- 作戦会議をする
- 一緒に準備する
- 移動時間にコミュニケーションを深める
- 思い出を記録に残す
1.テーマを決める
家族旅行に「テーマ」を設定する際、子どもの年齢や成長に合わせた内容を選ぶこと、興味がなさそうなら無理をせず機会を改めることがポイントです。
日常で子供が興味を持っていることを手掛かりにしたり、親子で一緒に初めての経験にチャレンジするなど、子どもが自分から進んでかかわれるテーマを考えます。
2.作戦会議をする
旅行に行く際に、最も幸福度が高まるのは旅行の計画を立てているときだそうです。
子どもを連れて行くだけの旅行ではなく、家族それぞれが行きたい場所、やりたいことを持ち寄り、話し合うことを勧めています。
子どもがまだ低学年で、自分で案を出せないときは、親が予算や日程を踏まえた案を複数用意し、子どもたちに選ばせます。その際には選んだ理由を子どもからしっかり引き出すことも大切です。
3.一緒に準備をする
旅先で何が必要か、何をしようかと親子で話しながら準備をすると、想像力が養われます。
旅行ジャーナリストの村田氏の家庭では、電車の乗り換えを調べて案内する「案内係」、お土産の予算を管理する「会計係」などの役割を決めていたそうです。子どもに役割を任せると、自然に主体性が身についていきます。
4.移動時間にコミュニケーションを深める
家族旅行にはゲーム機は持参せず、外の景色を楽しんだり、おしゃべりをするなど、コミュニケーションを深める時間に充てると、家族旅行の充実感が一層アップします。
5.思い出を記録に残す
思い出を記録に残すと、旅行をふりかえりやすくなります。
子ども自身にとっても、記録があればそれを見返すことをきっかけに旅行の記憶をよみがえらせることができ、楽しい思い出が心の成長を後押ししてくれます。
「日記」をつける
日記を通して「書く」作業は「語彙」を増やす、「気持ち」を整えるという2つの効果をもたらします。
ペンシルベニア大学の心理学者マーティン・セリグマン教授は、「毎晩寝る前に、よかったことを3つ書く」ことを1週間するだけで、その後半年間にわたって、幸福度が上がると言っています。
日記をつけるポイントは下記の3つです。
- 書く時間を決める
- 「3行の日記」を習慣にする
- 言葉選びを手伝う
1.書く時間を決める
セリグマン教授は「毎晩寝る前に書く」ことを勧めています。
親子で1日をふりかえることで、子どもとのコミュニケーションを深めることもできます。
2.「3行の日記」を習慣にする
「楽しかったこと」「うれしかったこと」「おもしろかったこと」など、ポジティブな出来事を3つ思い出して書きます。3行であれば時間もかかりません。もっとかけそうなときは、それぞれの理由も書きます。書くことによって、脳が良い思い出を追体験することになり、幸福度が高まります。
3.言葉選びを手伝う
子どもの気持ちや様子を表す言葉で、ほかにぴったりな表現があるかどうかを一緒に考えてあげます。
『子育てベスト100』を読んで
とても有益な情報が100個も書かれており、とても参考になりました。
すべてを実行することは大変そうですが、少しずつ取り入れていきます。
本書で紹介されていたボードゲーム「どこでもドラえもん日本旅行ゲーム5」は地理もお金の計算も入っているそうなので、子どもにプレゼンしてみようと思います。
まずは、子どもの話をしっかり聞き、一緒に3行日記をつけるところから始めます。