船津洋さんの著書「10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法」を読みました。
「10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法」とは
子供たちに「入力」により英語を身につけさせ、さらに「読解力」により、消えない英語を育てることを目指している本です。
当面の目標として「英検準2級」を設定し、幼児、小学校低学年、小学校中学年以上から始める具体的な攻略法が解説されています。
筆者が伝えたいメッセージ
「英語は勉強するのではなくて、
自分がわかるより少しだけ新しい情報を含む入力を
ストレスなく続ければ身につくよ」
「10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法」から学んだこと
幼児期、小学生、中学生以降と、それぞれの年齢に適した方法で入力が行われることが必要。
正しい入力方法として、幼児にはリスニングによる「音声情報」の入力、中学生以降では「文字情報」による入力が必要。
入力する情報が難しすぎずやさしすぎずちょうどよい「既知の情報+1」の質であることが必要。
そして、大量かつ良質の英語の入力が必要。
音から学び、せっかく身につけた子どもの頃の英語は、文字に置き換えるところまで身につけて、ようやく一生消えない英語力となるので、読解力の育成が必要。
幼児・小学生の英語学習のあるべき姿
出力でなく入力で身につける。
- リスニングで英語音声の大量入力 → 英語を英語のままで理解する力を身につける
- リーディングで英語の読解力を育てる → 英語がすらすら読めて英語のまま理解する
- 英検で習得レベルを確認→とりあえず小学校で英検準2級がゴール → 大学入試前までに英検準1級が可能
地頭のいい子に育てるため
- 幼児・小学校で英語スタート
- 2~4年で英語を習得。聞いてわかる、読んでもわかる。
- 小学生のうちに英検準2級。中学受験するなら小3まで、そうでないなら小6までに。
- 中学生のうちに英検準1級
- 高校1年生で準1級を取得していれば、早めに選択科目に集中できるので国公立さらには理系も目指せる。
- (超)難関大学へ。地頭のいい人。就活に有利。職業の選択肢も増える。
子どもの英語「超効率」勉強法・基礎編
英語を身につけられない人は「間接法で学習」していて、英語を身につけた人は必ず「直接法で獲得」している。
- 直接法
英語で入力してそのまま英語で出力する。
- 間接法
英語で入力して日本語に訳して英語で出力する。
残念ながら「直接法」の英語獲得は中学生以上、あるいは大人になるとかなり難しい。
中学生より小学生、そして小学生でみ中・高学年よりは低学年、可能であれば幼児のうちが英語の獲得には適している。
「直接法」のガキはリスニングとリーディングであり、リスニングが主で、リーディングは補助的な存在と考えてよい。
<英語の入力方法の注意点>
- 年齢に合った方法を選択すること
- 適正な質を確保すること
- 十分な量の入力を確保すること
入力の質に関しては「既知の情報+1」であることが大前提。
さらにネイティブによる音声であることが重要。また、繰り返しがふんだんに含まれていること、同じ語が異なる文脈で繰り返し登場することも重要。
量に関しては、1日1時間半くらいが適量。
小学生の低学年までは、幼児と同じような入力の方法で大丈夫ですが、8歳くらいからは、耳からの刺激だけでなく、目からの刺激、つまり文字情報の入力も有効。
小学校の高学年以上になると耳からの学習はほとんど期待できない。かわりに正しい英語の音を理解することと目からの入力を徹底すること。
リスニング能力の育て方
幼児:耳のみ
聞くだけでOK。
小学低学年:耳と目
聞いて、見る。
小学中高学年:フォニックスと音読
話して、読む。
トップダウン処理よりもボトムアップ処理で
- トップダウン処理
全体から部分へ理解していく方法。
- ボトムアップ処理
部分から全体へ理解していく方法。
直観的(ボトムアップ式)に理解できるような英語力を獲得するには、従来の学習から一歩踏み出して、留学生のように大量の「入力」をおこなえる英文のリスニングやリーディングを実践するしかない。
ゴールを「小学生の間に英検準2級」にする意味
幼児期や学齢期の早い段階で身につける英語は、しばらく放っておくと消え去ってしまう恐れがある。
音声言語が文字言語でも理解できるようになると、それは頭の中で整理整頓されて、この場あり、消えない英語力になる。
準2級を持っていることが、英語の読解力を持っていることの証。
幼児期から始める英語「超効率」勉強法
- 幼児期に英語を身につけるなら、音声を家庭内にBGMとしてかけ流すのがお勧め。1日90分控えめのボリュームで。
- かけ流しによって単語を切り出して聞き取る「リズム回路」ができれば、仮の語彙が増えていく。そこにフラッシュカードなどでイラスト(意味)を与えると、語彙(単語)となってどんどん蓄積されていく。
- 仕上げは「絵本の暗唱」。親が何度か読み聞かせると、やがて、言いやすい部分をぽつりぽつりと口に出す。その音声と絵本の中の文字が一致することで「読み」が始まり、読解力が身についていく。
英語のかけ流しの習慣づけ
1日90分
- 食事ごとに小分けでもOK
- 午前中のひとり遊びの時やお昼寝後にまとめてもOK
習慣づけしやすい時間帯を選ぶ
- 起き抜け
- 食事の準備中
- 朝昼晩の食事のとき
- 帰宅後
BGMとして
- 食事中
- プリント学習のとき
- 絵本読みのとき
注意
- テレビは消す!
- ボリュームは控えめ!
- 楽しく聞かなくてよい!
子どもは繰り返しと新しいものの両方が好き
「家庭内英会話」のかけ流し1年間で「リズム回路」を身につけて、その後「仮語彙」を増やしていきますが、その間同じものばかり流していてはいけません。また、逆に新しいものを次々と与えるのも避けた方がよい。
1か月を目安に、新しい教材に入れかえるパターンを家庭内に作りだせばよい。
歌や絵本なども活用してまんべんなく入力する
「家庭内英会話」と並んで、英語の入力として必要なものが「歌」の存在。英語圏ならマザーグースです。
さらに、幼児の言語獲得期になくてはならないものが「絵本」。読解力を育てる以外にも、基礎概念の入力ツールとして効果が期待される。
同じく幼児期から小学生まで情報の入力に威力を発揮するのが、「フラッシュカード」による単語の入力。
基本の「家庭内英会話」、押韻の「歌」、基礎概念の「絵本」、仮語彙の「単語」、以上4つの要素をまんべんなく入力できるように環境を整えよう。
子どもの英語獲得で避けたい3つのタブー
POINT① 反応を求めない
- ×楽しくなくてよい
- ×喜ばなくてよい
- ×表面的な反応は「入力時」に求めない
POINT② リピートさせない
- ×言わせない
- ×わかっているかたずねない
- ×発音を直さない
POINT③ 日本語を入れない
- ×意味を理解しているか確認しない
- ×説明しない
- ×訳さない(聞かれても)
おすすめのYoutube
読解力を育む絵本の選び方
- 文章が短いものを選ぶべし!
- 文章の繰り返しが多いものを選ぶべし!
- 冊数が多い(シリーズ化された)ものを選ぶべし!
- 入力用のネイティブ音声があるものを選ぶべし!
小学校低学年から始める英語「超効率」勉強法
- 小学生になると学校で「かな」を学ぶため、英語をひらがなのリズムで聞いてしまい、幼児期のような英語の「リズム回路」を自然に身につけるのが難しくなる。
- そこでお勧めなのが「倍速学習」。英文を標準スピード、2倍速、4倍速とスピードを上げて聞き、改めて標準に戻すと英語が遅く感じられ、聞き取れるようになる。小学生は「読む」学習も可能なので、テキストを見ながら音声を聞かせるのがポイント。
- この小学校低学年の年代から、子どもが自分で約束してそれを守る「自律学習」の習慣もつけさせたい。
倍速学習の進め方
最初に全体の内容を日本語で理解させる。
まずは、標準スピードで英文を聞かせる。このとき、小学生である強み、つまり文字情報にも親和性があるメリットを活かして、テキストを見ながら、音声を聞かせる。この段階では通常スピードの英文は早く聞こえる。
続いて2倍速を流す。ここでは、テキストを閉じて文字を追わずに音声に集中する。もちろん、ただでさえ早い英語の音声が2倍速になるのですから、聞き取れるわけはない。肩の力を抜いて音声に耳を傾ける。
そして、さらに4倍速(現実的には3.6倍速程度)までスピードを上げる。すると、もはや聞き取ることは不可能。それでよいので集中して聞く。
その後改めて標準スピードを耳にすると、英語が遅く感じられる。つまり、通常は聞き取れないはずお英語が聞き取れる。
倍速学習は、聞いても聴いても聞き取れない英語に対する苦手意識を取り除き、さらに聞き取り能力を向上させることができる。
この倍速学習によって、かけ流しだけでは入力できなかった小学生に対しても英語の入力が可能となる。あとは、小学生の柔軟な脳が英文の「暗唱」をすることで、効率のよい入力と、本人の自信につながる出力が両方可能となる。
「自律」の心の育て方
まず、押し付けではなく、自らの判断で「やる」と決めさせるところから始める。
そして、「本人の意思で決めた」ことを親子の間で再確認して、教材に取り組み始める。
小学校中学年以上から始める英語「超効率」勉強法
- 小学校の中高学年になると、日本語に加えてローマ字学習という、英語獲得には障害になる要素がさらに加わっている。
- そこでお勧めなのが、「フォニックス」を使ってただし英語の音韻知識を身につけること。英語と日本語の母音や子音の違いはもちろん、英語に会って日本語にはない「知らない音」を知ることも重要になる。
- もう一つおすすめしたいのが、「英語の素読」。意味は二の次にしてひたすら暗唱するように読み続けることで、入力による「直接法」で英語が身についていく。正しい発音で、辞書は引かず、10万語のテキストを4、5回繰り返し、声に出して読みたい。
「英語の素読」で「読解力」が飛躍的に向上する
幼児から中学生まで、素読で「ワンランク上の英語力」を身につけることができる。
素読は意味の理解は二の次にして、ひたすら暗唱するように読み続けることを指す。
素読をすることで、英語を訳さず、ひたすら読み続ける習慣が身につく。
英語の素読の進め方
英語の素読は「素材選びが9割」
日本語に訳さなくても理解できるようなレベル、学校英語で言うと中3までのレベルの本がよい。
最初は超ビギナー向けの優しいものからスタートするのがお勧め。
英語の素読は「正しい発音」で行うことが大切なので、ネイティブによる吹込み音源が必須。
「英語の素読」の効果を最大化する5つのポイント
- 正しい発音で声に出して読むこと
- 日本語に訳さないこと
- 辞書を引かないこと(つまり休憩以外は中断しないこと)
- (音源がない場合など自分のペースで読む場合は)できる限りの速さで読むこと
- 10万語のテキストを4、5回繰り返して読むこと
おすすめの素読教材
オックスフォードのブックワームシリーズ(”Oxford Book worms”)
「10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法」を読んで
娘はもう小学1年生なので、焦りを感じました。
英語の入力に力を注ぎ、「倍速学習」と「英語の素読」を取り入れたいと思います。
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