子どもが天才になる食事

中学受験専門塾「進学会」代表の菊池洋匡さんと、栄養学イノベーションコミュニティ代表管理者である菊池則公さんの著書「子どもが天才になる食事」を読みました。

「子どもが天才になる食事」とは

「毒メシ」から「受かるメシ」への食事改善方法を紹介している本です。

筆者は、高カロリー・低栄養の食べ物を「毒メシ」子どもの能力を伸ばすことができる食べ方や栄養を含む食べ物を「受かるメシ」と呼んでいます。

本書は、医師・医学博士である宮澤賢史さんが監修されています。

筆者の伝えたいメッセージ

悪い食事をしていて脳が正常に働いていない状態から、よい食事に変えて脳が正常な働きを取り戻せば、1~2週間で成績が変わることも不思議なことではありません。

「子どもが天才になる食事」から学んだこと

15歳までに何を食べるかが、学力をはじめとする能力に大きく関係します。

脳、身長や体重、骨、生殖器など極めて大事な身体の部位の基礎が出来上がるのが15歳という年齢なのです。

食事改善の3つのポイント

  1. 腸の炎症
  2. 血糖値
  3. 頭のよくなる栄養

毒メシの特徴

  1. 腸や脳に炎症を引き起こす
  2. 血糖値のコントロール機能を破壊する
  3. 身体から栄養を奪い取り、毒を与える

腸や脳に炎症を引き起こす「毒メシ」

  • 小麦
  • 牛乳やヨーグルトをはじめとする乳製品
  • 甘いお菓子やジュース

血糖値のコントロール機能を破壊する「毒メシ」

  • 小麦をはじめとする糖質を多く含む食べ物

血糖値を急激に上げたり下げたりするのではなく、時間をかけてゆっくり上昇させ、そして、ゆっくりと下降させていくことがポイント。

身体から栄養を奪い取り、毒を与える「毒メシ」

  • 糖質を多く含む食べ物
  • 牛乳
  • トランス脂肪酸を含む食べ物(ショートニング、マーガリン、ファットスプレッド)
  • パーム油を含む食品(チョコレート、スナック菓子、アイスクリーム、外食産業で使われる揚げ物の油や冷凍食品など)

「毒メシ」を「受かるメシ」に変える3つのポイント

  1. 炎症を抑えて栄養を吸収できる体にする
  2. 血糖値を緩やかにコントロールする
  3. 不足しがちな栄養をバランスよくとる

炎症を抑えて栄養を吸収できる体にする

まずは、炎症を引き起こす食べ物をなるべくとらないようにすることから始めましょう。

腸の炎症を招く小麦・乳製品はなるべく控える

小麦の代替としておすすめなのが米粉です。

腸内環境の改善に役立つ食物繊維をとろう

<水溶性食物繊維を多く含む食材>

野菜…ごぼう、モロヘイヤ、玉ねぎ、にんにく、山芋、オクラ、里芋、こんにゃく

海藻…わかめ、あおさ、海苔、ひじき、もずく、めかぶ、とろろ昆布、寒天

果物…アボカド、りんご、キウイフルーツ

その他…なめこ、納豆

<不溶性食物繊維を多く含む食材>

インゲン豆、ひよこ豆、おから、小豆、栗、えんどう豆、玄米

体の中にたまった毒を輩出する食材をとろう

ユリ科の植物に含まれる「硫化アリル」、アブラナ科の野菜に含まれる「イソチオシアネート」といった解毒作用のある成分をとると、体から毒を排出することができます。

ユリ科…にんにく、玉ねぎ、ニラ、長ネギ、アサツキ、アスパラガス

アブラナ科…キャベツ、紫キャベツ、菜の花、ブロッコリー、カリフラワー、水菜、小松菜、白菜、チンゲン菜、カブ、大根、かいわれ大根、ラディッシュ

血糖値を緩やかにコントロールする

パン食がメインのご家庭であれば、まずはパンを食べる回数を1回でも減らし、その代わりにご飯を食べるようにしましょう

お米も糖質ですが、パンに比べると血糖値の上昇が緩やかな傾向があります。

しかし、お米も一度に大量に食べれば血糖値は急上昇していきますので、1食につき「自分のにぎりこぶし1個分」を目安にしてとるようにしましょう。

パンの代わりにササニシキの玄米を選ぼう

毎日食べる主食のお米としておすすめなのは、アミロースが多いお米です。

高アミロース米は粘り気がなく、パラパラとした触感が特徴です。

高アミロース米の代表的な品種は「ササニシキ」です。

高アミロース米のササニシキの中でも、玄米、特に発芽玄米がおすすめです。

ただし、玄米は「ぬか」の部分に農薬が残留しやすいため、玄米・発芽玄米を食べる場合は、低農薬・無農薬のものを選ぶようにしましょう。

おやつ・完食にはバナナやイモ類をチョイス

子どもにとって、血糖値を乱高下させる最大の敵はお菓子です。

特に、糖質を多く含む飴、キャラメル、チョコレート、クッキー、アイスクリームなどを食べさせるのは、できるだけ避けるようにしましょう。

代わりに、子どものおやつとしておすすめしたいのが、サツマイモなどのイモ類や果物です。

また、もし料理に甘みが欲しい時には、砂糖を使うのではなく、はちみつやメープルシロップがおすすめです。

不足しがちな栄養をバランスよくとる

タンパク質はすぐに代謝されるので、1日3回、積極的にとるようにしましょう。

お子さんの能力アップに必要な10の栄養素
1.集中力をアップさせる

栄養素…チロシン(アミノ酸)

食材…チーズ、卵、バナナ、アボカド、ごま、大豆

とるタイミング…集中したい30分前

2.落ち着きを取り戻す

栄養素…トリプトファン(アミノ酸)

食材…豚肉、卵、バナナ、煮干し、チーズ、鶏胸肉、鰹

とるタイミング…リラックスしたい2時間前や夕食時

3.記憶力を向上させる

栄養素…オメガ3脂肪酸

食材…亜麻仁油、えごま油、くるみ、イワシ、サバ、牡蠣、ムール貝

とるタイミング…夕食時

4.やる気を引き出す

栄養素…BCAA(アミノ酸)

食材…鶏胸肉、鶏もも肉、卵、納豆、豆腐

とるタイミング…やる気を上げたい1時間ほど前、朝食や昼食時

5.ひらめき力をアップさせる

栄養素…GABA(アミノ酸)

食材…発芽玄米、トマト、ジャガイモ、ナス、ブドウ、ミカ

とるタイミング…日々の主菜として。ブドウやミカンはおやつに

6.疲労回復を促す

栄養素…ビタミンB群

食材…ビーツ、チアシード、豚肉

とるタイミング…夕食時

7.体力をアップさせる

栄養素…糖質(三大栄養素の一つ)

食材…発芽玄米、サツマイモ

とるタイミング…毎食の主食として。おやつタイムにも

8.視力の回復(眼精疲労)

栄養素…ビタミンA

食材…鶏レバー、ミカン、ニンジン、モロヘイヤ、ほうれん草、卵(卵黄)

とるタイミング…レバーは時々。ミカンをおやつや夜食に

9.抗酸化作用、免疫力をアップさせる

栄養素…ビタミンC

食材…ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、レモン

とるタイミング…毎食がお勧め

10.細胞を修復させる

栄養素…亜鉛(ミネラル)

食材…玄米、海苔、牛肉、大豆、レバー

とるタイミング…主食を玄米ご飯にして毎食食べる

「子どもが天才になる食事」を読んで

食事の大切さを改めて感じさせてくれる1冊でした。

  1. 炎症を抑えて栄養を吸収できる体にする
  2. 血糖値を緩やかにコントロールする
  3. 不足しがちな栄養をバランスよくとる

この3つを実践し、子どもに「受かるメシ」を食べさせていきたいと思いました。

本書には、ご紹介した以外にも興味深い内容がたくさん書かれていましたので、興味を持たれた方は、ぜひ一度読んでみてください。

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