幼児教室「母と子のオムニパーク」室長の福岡潤子さんの著書「IQ140の子どもが育つ遊びのルール」を読んでみました。
『IQ140の子どもが育つ遊びのルール』とは
どんな能力が、どのような遊びで育つか、子どもが楽しく作業できるレベルに達するための工夫や、上手に導くスキルが紹介されています。
「積み木遊び」で「立体把握力」が育つ、「ぬり絵」で「注意力」「集中力」「根気強さ」が育つなど。
筆者の伝えたいメッセージ
子どもにとっての遊びは「学習そのもの」
脳の一定の部分だけを刺激するドリルより、遊びを通して自ら考える子どもにしていく方がIQは確実に高くなるといえます。
遊びを通し、知能という狭い意味での指数だけではなく、よい人間関係をつくる、最後までやり抜く、自制する、といった将来必要不可欠な力も育って行きます。
『IQ140の子どもが育つ遊びのルール』から学んだこと
楽しいと感じられる状況にしてあげるために求められるのが、親(大人)のスキル(具体的な言葉のかけ方や見守り方)
「積み木遊び」で育つ脳力
- 積み上がった作品を色々な角度から見るように声かけけすることで、「立体は握力」(立体的にモノを捉える力)が育つ。
- 「こうしたらこんな形ができる」とすぐに答えを与えないこと。「どうすればいいかな」と聞いて待つ時間が、子どもの考える力を育てる。
- 積み木をくずしてしまう子に「さわっちゃダメ」と言わないこと。「何回くずれても、また積み上げればいい」ことを知らせて、失敗に負けない心を育てる。
- 子どもの作ったものは尊重し、作り直さないこと。崩れにくい・倒れにくい積み方など、技術レベルを上げるには、親が「手助け」するのではなく、「モデル」を作って見せることで自ら学ばせる。
モデルを作って見せて、教えて欲しいと言われたときに初めて一緒に作る。
数の理解を深める「トランプ遊び」
- トランプは数を扱うゲーム。「七並べ」は数系列・「戦争」は数の大小・「ババ抜き」は数の同数。
- わざと負けたりしないで、子どもにゲームの負けを納得させることが大切。残ったカードの枚数を競うゲームの場合は、カードを一枚ずつ重ねていく「一対一対応」で算数の基礎を学べる。
ゲームには勝ち負けがあり、だからこそ努力する。相手の気持ちがわかるようになる。
- 「このカードを出せば?」等と子どもの手の内を見たり、答えを与えない。「七並べ」では「このカードの次に出せるのはいくつかな?」と誘導し、自分で答えを導くことで数系列がイメージできるようになる。
- とっさに数の大小を判断するゲーム「戦争」で、瞬間的に脳が反応するようになる。
- 「シンケイスイジャク」が苦手な子には、開けたカードをすぐふせさせないこと。一緒に見て声に出して読む習慣をつければ記憶にとどめられるようになる。ゲームを楽しめるようになれば、瞬間的にカードの位置を記憶し、右脳に残せる「パターン認識」力が育つ。
- 「ババ抜き」でカードを少しずつ扇状に広げる練習を。指先の作業が脳を活性化する。
「ぬり絵」が右脳を伸ばす
- 誘導が大事。子どもが好きなものを話題にするなどして、自分から「その絵を塗りたい」というやる気を出す。
×「ねえねえ、この〇〇レンジャー色塗りしてみない?」
〇「この前テレビで見た〇〇レンジャー、かっこよかったね」と子どもの興味を〇〇レンジャーにむけてから、おもむろに「お母さん、こんなの見つけたんだけど、塗ってみる?」と言ってぬり絵を出す。
- 「線からはみださないで」「塗り残しがあるよ」と注意を与えるのではなく、「どうしたらいいか」を理解させる。線や塗り残しを子どもがイメージしやすい言葉に置き換えるとうまくいく。
線からはみださないことを理解させるには「この線(枠)は、ガードレールね」という。
塗り残しがある場合は、「○〇レンジャーのお洋服に白いところがいっぱいついているんだけど…。」「白いペンキが飛んできちゃったのかな?」「大変大変、シミがついちゃったよ」と言いながら、細かく塗る方法を教えてあげます。
「くすぐったいっていうかもしれないけど、コショコショって、お母さんがやってみるね」と言って狭い範囲の中でクレヨンを動かし、綿密に塗る方法を見せる。
- やり方を一度に教えても上手にならない。まず、線の枠に意識を向ける、次に手元をよく見る、その次に細かく塗る…と段階的に導くことで高度なテクニックが身についていく。
- 線の枠を意識させることが大切。全体像をしっかり見ながら色塗りすることが右脳を刺激し、形や線に関心を持つことにもつながる。
『IQ140の子どもが育つ遊びのルール』を読んで
ドリルも引き続きさせていきたいと思っていますが、楽しい遊びでIQだけでなく非認知能力を高めて上げたいと思いました。