文化放送プロデューサーでジャーナリストである清水克彦さんの著書「頭のいい子が育つ10歳までの習慣 」を読みました。
「頭のいい子が育つ10歳までの習慣」とは
10歳までに規則正しい生活習慣や学習習慣を身につけるための、家庭教育の方法が紹介されている本です。
筆者の伝えたいメッセージ
「10歳は、子どもを伸ばすうえでの大きな分岐点。それまでに伸びる基礎を作っておくことが重要。」
「頭のいい子が育つ10歳までの習慣」から学んだこと
10歳までに親がしてあげるべきこと
10歳以降の伸びを左右するのが、きちんとした生活習慣と体力、それに思考力や表現力、集中力や想像力といった、知識とは別の学力。
◆小学校低学年時代(6~8歳)
- きちんとした生活リズムを作らせる(=規則正しい生活習慣)
- 運動させ、食事もバランスよく摂らせる(=基礎体力)
- 「できた」という成功体験を増やす(=達成感、自信)
- お手伝いをさせる(=責任感)
- 整理整頓する習慣をつけさせる(=思考力、清潔感)
- 自分で考えたり、決めたりする習慣をつけさせる(=自主性)
- 親子の対話で感想や意見をどんどん言わせる(=思考力、表現力)
- 本を読む習慣をつけさせる(=読解力、想像力)
- 動物や自然と触れ合う機会を作る(=観察力、理科への興味)
◆小学校中学年時代(9~10歳)
- 子ども自身に目標をたてさせ実行させてみる(=計画性)
- 興味を持ったことをとことんやらせてみる(=好奇心)
- 新聞やテレビでニュースに触れさせる(=社会への関心)
- 社会の出来事などテーマ性がある対話をする(=深い思考力)
- 親子で調べる習慣をつける(=探求心、集中力)
- 社会のルールや常識を教える(=マナー、品格)
- 得意なことを見つけて伸ばす(=自信、集中力)
- 博物館や美術館などで本物を見せる(=感動、興味)
- 気持ちを込めて楽器を弾いたり歌ったりさせる(=創造性)
- 両親が仕事や夢について語る(=将来への夢)
10歳までに「はみがきよし」
- 「は」-親子でもっと対話しよう
- 「み」-本物を「見る」機会を増やそう
- 「が」-「書く」力を養おう
- 「き」-親は「聴く」名人になろう
- 「よ」-親子で「読む」と、想像力が身につく
- 「し」-「調べる」努力が生きる力になる
「は」-親子でもっと対話しよう
親子の対話が豊富な家庭の子どもは、「見える学力」と「見えない学力」の両方がアップする。 親子の対話は、自己主張が強くなる10歳までが勝負!
「み」-本物を「見る」機会を増やそう
子どもと一緒にいろいろなものを見よう、できれば本物を見せよう。 本物には子どもを夢中にさせ、いやがうえにも好奇心をそそる要素がある。 本物に触れさせれば、子どもの興味は倍増し、視野も広くなる!
「が」-「書く」力を養おう
子どもにじっくり考えさせ、それをまとめて発表させることで、社会に出て生き抜いていく力を養うことになる。 家庭でおすすめしたいのは次の取り組みだ。
◆幼稚園年長~小学1~2年生
- 今日の出来事や楽しかったことを親子で話し合ってみる
- 短い文章で日記をつけさせてみる
- 読み聞かせや音読によって本や文字に親しませる
- 絵を見ながら短いお話を作ったり、詩を作ったりさせてみる
◆小学3~4年生
- 文章を読んで、内容や感想を言葉で伝えられるようにする
- 宿題とは別に、作文や感想文を書かせ、文章の型を教える
- 俳句や短歌を作らせてみる
- 数百字程度の日記をつけさせてみる
◆小学5~6年生
- 新聞を読んで親子で意見を言い合う
- 時事ネタをテーマに親子で取材や調査をし、文章でまとめさせてみる
- 慣用句や四字熟語、ことわざなどを習得させる 素直で感受性豊かなうちに、たくさん書かせ、ほめよう
「き」-親は「聴く」名人になろう
親が、次の4つを意識しながら子どもと接すれば、子どものやる気や能力を引き出すことにつながっていく。
- 傾聴
- 質問
- 承認
- 提案
①傾聴
文字通り子どもが話す内容をしっかり聞いてやるというスタンスで、子どもの立場になって、話の内容に興味と理解を示しながら耳を傾けるという意味だ。
②質問
子どもの話をさらに引き出したり、子どもの気持ちを乗せたりするために重要な要素で、具体的には、子ども話しかけるときに、なるべく「?」がつく語りかけをしてほしい。
③承認
子どもをほめたり認めたりすること。ダメな部分を指摘して叱るのではなく、お手伝いをしてくれたことを評価したり、子どもの人格や存在そのものを肯定したりすること。周囲から評価されれば、俄然やる気になるのは大人も子供も同じである。
④提案
子どもに親の考え方やアドバイスは伝えるが、それを受け入れるかどうかは子どもの判断にゆだねるやり方。 親が「お話名人、聴き名人」になれば、子どもも「お話名人、聴き名人」になる。
「よ」-親子で「読む」と、想像力が身につく
「読み聞かせ」は子どもが小学校低学年までに家庭でやっていただきたい。
読み聞かせのポイント
- 子どもが好きな本を5回でも10回で繰り返し読む
- 登場人物や物語のシーンに応じて、声のトーンや読み方を変えてみる
- 擬音や擬声はなりきって演じる
- 親子で感想を述べ合ってみる 繰り返し読む、なりきって読む、感想を述べ合う
「し」-「調べる」
努力が生きる力になる 辞書引きによって語彙力を高めるのは二次的な目標で、一番の目的は、子どもの自ら学ぼうとする心、もっといろいろなことを知りたいという欲求を芽生えさせることにある。 「調べさせる」ことで、子どもの知的好奇心を煽り、集中力も鍛えられる。
10歳までに人間力の素地を作る
次の10の素地がある程度揃っていれば、中学入学後、あるいは高校や大学で必ず伸びてくる。そしてそれらが、社会に出たとき、必ずプラスになる。
◆10歳までに(遅くとも小学生のうちに)、作っておきたい10の素地
- 規則正しい生活が確立されている
- きちんとした挨拶、言葉遣いができる
- 自分のことは自分でできる
- 家族のお手伝いをよくする
- 興味を持っている分野がいくつかある
- 自分から進んで本を読んだり勉強をしたりする習慣がある程度身についている
- 自分なりに工夫しようとする
- 家族を大切にし、親との約束はしっかり守る
- 学校行事に前向きに取り組む
- 「快活」「素直」「元気」といった子供らしさと「がまん強さ」がある
「頭のいい子が育つ10歳までの習慣」を読んで
ピグマリオン効果とは、親が子どもの将来性に確信を持ち、「この子は必ず伸びる」と信じて接すれば伸び、そうでなければ伸びないということなのである。
子どもの将来に確信を持ち、子どもとの対話を大切にしたいと思いました。
10歳までに人間力の素地を作ってあげられるようサポートしてあげたいと思います。
本書では、他にも「10歳までに子どもを伸ばすママの役割」「10歳までに子どもを伸ばすパパの役割」なども紹介されていました。
この本に興味を持たれた方は、一度手に取ってご覧になってみてください。